こっちのヴィンテージ
こっちのヴィンテージ①

ヴィンテージらしい、ヴィンテージが好きです。
古いだけ。
これはヴィンテージではない、ただのボロ。
くさいかも。嫌だ。
塗装仕上げ、僕は欲しくない。
デニムでいうと、色落ちしたデニムを染め直しちゃってる感じ。
孫のダメージジーンズにおばあちゃんがアップリケしちゃったみたいな。
あっちゃ~みたいな。
たまには良いんだけど、アップリケ。
僕は、ヴィンテージらしいヴィンテージ、こっちがよい。
それが、こっちのヴィンテージ。
ただし、きたないのは嫌い。
ばっちぃのは嫌い。清潔感は大切です。
わがままであります。
だから、そうじは入念に、すみずみまでやっています。
こっちのヴィンテージらしい仕上げにするために、極力電動工具は使わずに、オリジナルの状態を保つために、手仕事によるメンテナンスにこだわっております。
大変なんですこれが。。
ヴィンテージ感を大切にしたいから。
目で見て、手で触り、匂いを嗅ぎ、開閉音も確認し、味は確認しませんがヴィンテージのアジは確認します。
そんな五感を使って、一品一品の雰囲気を確認しながら、メンテナンスをしています。

↑あっちのヴィンテージ①
このままだと、きたないかなぁと。
ガタツキもあるだろうし。
状態によっては嫌いではないですけどね。

↑あっちのヴィンテージ②
細かい傷を隠すために、電動工具を使って削る。
経年変化は表面で起こりますので、それが無くなる。。
削ることでフォルムが、オリジナルとは異なる、崩れる。
新たに塗装をすることで、キズは隠しやすいですが、質感がなくなる。
プシュ~っとする塗装は簡単なのですけれども。
テッカテカ、ピッカピカの感じが嫌いなのです。
何か、隠している感じも好きではありません。
隠すという行為に、後ろめたさも感じます。
ヴィンテージとしてのアジがなくなるんです。
だったら新品の家具で良くないかなぁと。
そんな時は、IKEAで良い。
こっちのヴィンテージとIKEAの合わせ技もいい感じです。
ちなみに、知人の英国人はIKEAをアイケアと言っていました。
最初は何のことか分からず。。
英国人全員がそのように発音するのかは知りません。。

↑こっちのヴィンテージ
偶然にできたキズやアタリの積み重ね。
それがオイル仕上げによる木材の質感、経年変化と合わさり、ヴィンテージの質感となっているのかなと。
完全に機械化され作られた家具ではなく、手仕事の跡が残っているような均質ではない感じ。
経年変化で、均質ではない感じ。
金太郎飴ではなく。
いや逆に、金太郎飴ぐらいの、似ているけど、同じものはない、不均質な感じですかね。
この感じが好きです。
このヴィンテージ感=こっちのヴィンテージ、が好きであります。
色々あってよくて、合わせもミックスでもよくて、あっちでも、こっちでも、そっちでも、どっちでも、よいかなぁと思うのですが、私はこっちが好きなのであります。
そんなことで、僕は「こっちのヴィンテージ」をやっています。
他のお店と写真を見比べるだけでも、分かるかと思います。

ワーゲンバス、免許取りたての時に無性に欲しかったのを覚えています。
あの雰囲気はいまでも好きです。
最初は血が出るくらいにきつきつで、履きこむことで自分の足型に馴染み、磨くことでエイジングされていく英国製の革靴。
履きこまれたデニムの色落ち。
ヒゲにハチノス。財布の跡にポケットが色落ちしたり。
中学生の時、デニムを履いて風呂に入り、軽石でこすって失敗しました。。
急いではいけませんね。。
機能面でいえば、二眼レフカメラ。
構造は単純であり、アナログであり、結果長持ちする。
長く使うことで独特の雰囲気を醸し出すし、上から覗くってのがまた良い。
デザイン面でいえば、変わらないコカ・コーラの瓶。
レトロな雰囲気もあるけれども、逆に新しく感じるときもある。
このようなモノたちも、こっちのヴィンテージに近いかなぁと、勝手に思っています。