読むともっとスキになる!Ercol(アーコール)ファニチャーのおはなし。


こんにちは。ブリティッシュ・ビンテージプラス店長です。

梅雨も明け、暑い毎日が続きますね。まさしく溶けそうですね?。
以前、沖縄出身で名古屋在住の人が「名古屋のほうがずっと暑い!!」と言っていました。
このモワ?っと感の成せるわざでしょうか。
みなさんも、熱中症など気をつけてお過ごし下さいね。

さて、今日は国内でも根強い人気のErcol(アーコール)についての、ちょっと詳しいおはなし。

その背景や歴史をちょっと知っているだけで、すでにお持ちの方も、いつかは・・・!という方も、
Ercolがもっと愛しくなること間違いナシ!

アーコールの創設者は、実はイギリス人ではなかった!


アーコールを一代で築き上げた人物、Luciano Randolfo Ercolani(以下ルシアン)は、実はイタリア出身。
1888年にセントアンジェロというイタリアの小さな町で産まれ、10歳の時に両親、3人の兄弟とともにロンドンへ移住。

写真は、当時のロンドンの家具問屋界。
イタリア人である彼は、学校へ通うものの英語の習得にとても苦労したそう。
学校を卒業して最初の仕事は、メッセンジャーボーイ。

ブラスバンドの演奏員としても活動していた折に、たまたま専門学校の家具デザイン科学生募集の
貼り紙に出くわす。
大工の父の後押しもあり、「これだ!」と進む道を決めるルシアン18歳。

正真正銘、ルシアン初の家具デザイン画が、コレ!!
音楽家らしく、楽器などを収納するためのミュージックキャビネットをデザイン。


右から二人目が、アーコールの創設者ルシアン アーコラーニ。
男ばかりの4人兄弟。

後にG-planやパーカーノール社の創設者となる人物らに誘われ、High Wycombeという
当時のイギリスにおいて家具製造の中心であった場所へ移り住み、下積み生活を始める。


10年の下積みを終えた1920年、32歳の時に独立。
これこそが、わたしたちの愛する「Ercol」誕生の時!

しかしその後、世界大戦勃発。
アーコールも政府の依頼で軍用テントのペグなどを製作する。

戦後の物不足のなかで、人々は急速に生活を立て直す必要があった。
アーコールの丈夫で質の良い家具は重宝され、事業は急激に大きく成長していった。


1945年、戦争から戻ってきたルシアンの息子二人(写真の左、中央)も、アーコールの
中心的存在として働き始める。


その後、現在でも私たちが見ることのできる、様々なシリーズの家具を製作する。


1970年代のHigh Wycombeの写真。
線路を境にして右側がアーコールの工場。左側がG-planの工場。
現在私たちが扱う数多くの逸品が、ここから生まれた!

一線を退いた後も、1976年に78歳で他界するまで、精力的にアーコールのために
活動し続けたルシアン。
移民としてイタリアからやってきた小さな少年が、50年後にはイギリスを代表する家具メーカーのトップになっているとは、誰が想像しただろう。

その素晴らしき生涯は、亡くなる1年前に本人が書き上げた、自伝という形で残されている。

ルシアンの創設したErcolは、その息子に、そして孫に受け継がれ、工場を移転した今でも
人々に愛される家具を作り続けている。

まさしく、老舗中の老舗。
現在では、当時のデザインの復刻版も販売されているけれど、やっぱり私たちがスキなのは
当時のオリジナル。
どんなお宅で、どんな歴史を刻んできたのかな・・と思いを巡らせることが、また楽しみでもあるし、
この空気感や存在感は、THEビンテージだからこそ。

総無垢でありながらも、繊細なラインでナチュラルで軽やかなデザインを実現。
100年近くたった今でも色あせない輝きは、普遍的な魅力を放っている。

 

構造面でも工夫が盛り込まれ、手直しを加えながら、何世代にも渡って使用できるような造りになっている。
きっと家具界の伝説といっても、過言ではないんだろう。


家具を愛し続けたルシアンへ思いを馳せながら、アナタもビンテージアーコールと暮らしてみませんか?
豊かでやさしい時間が待っていますよ。

 

 

 

店長より


「北欧家具より安い」のナゾに迫る。



こんばんは。
イギリス人店長による■英国ヴィンテージ家具&アンティークのセレクトショップ■
ブリティッシュビンテージプラスのMisakiです。

6月8日からやっていた名古屋での展示イベントも終わり、
先日は、搬出作業などでしっかり肉体労働にいそしんできました。

まさにコンテナ詰めと同様のプレッシャー・・・。

全部入るの?
入らないんじゃないの?

絶対無理でしょう・・・という途中経過を経て、大体いつも最後にはちゃんと詰め込むことが
できるのが本当に不思議です。
男性と女性の空間認識力の違いでしょうか?

さて3週間のイベントでは、初めてイギリスビンテージ家具を見たよ~という方も多くいらっしゃった様子。

一般的にはイギリスと言えば、いわゆる「アンティーク」をイメージされるようで、
私たちが扱う50~70年代のチークを使ったシンプルでモダンなデザインの家具には、
意外性を感じられる方も。

「北欧と似てますね」

それもその通り。この年代はヨーロッパ全土で北欧やデンマークスタイルの家具が流行し、
イギリス国内でもその影響を強く受け、デンマーク人デザイナーを起用したりといった流れが
家具業界全体で起こっていたからです。

その中で、特に興味深いご意見を複数の方から頂きました。

「北欧ビンテージ家具よりお値打ちですね~!」

そうなんでしょうか?

さっそく、検索・・・。

確かに、同じようなランクの家具が一般的に見ても1~2割ほどお求め安くなっているようです。

なぜでしょう?

私的な見解ではありますが、おそらく北欧ビンテージ家具は既に確固とした地位が確立されていますが、
英国ビンテージ家具はグローバル的にみてもまだまだこれからの成長過程にあるため、
今は市場価格が低めという理由がまず思い当たります。

次に、北欧はヨーロッパの中でも、もともと物価の高い国だからという理由もあるのではないでしょうか。

ということは、北欧家具のスタイルが好きだけどちょっと手が届かない・・・という人にとっても、
英国ビンテージという選択肢は、十分にアリだと言えそうです。

もともとアンティーク家具などで有名なイギリスですから、クオリティは北欧と比べても
全く引けをとりません。
どちらかというと北欧の方が、華奢でよりシンプルな印象を受けます。

当店のお客様のなかには、北欧家具とミックスしてお部屋づくりされている方もいらっしゃいます。

きっと、「いいものはいい」
ということなんだと思います。

さぁ、アナタも英国ビンテージの世界へ飛び込んでみませんか。
ブリティッシュビンテージ+が、いつでもお手伝いしますよ♪


イギリス映画ってやっぱりオモシロい。


こんばんは。
イギリス人店長による■英国ヴィンテージ家具&アンティークのセレクトショップ■
ブリティッシュビンテージプラスのMisakiです。

早いもので、もう6月も終わりですね。

月末になると思い出すのが・・・我が家のチビちゃんのバースデー♪
あんなに赤ちゃんだったのに、もう1歳5ヶ月になったんだなぁ?としみじみ。

最近は夜もぐっすり寝てくれるので、まさしく1年半ぶりくらいにDVDを借りて来て観ました。
ポール店長の「イギリスを感じられる映画」という希望でチョイスしたのが、「ロンドンゾンビ紀行」

ホラー映画が特に好きではない私は、タイトル的に全然惹かれなかったのですが、

「コメディ」という説明文を信じ、他に良さそうなもものもみつからなかったので、

これにしたところ・・・

めちゃくちゃ面白かったです!!

その上、感動しちゃうんです!!

ロンドンの下町を舞台に、「イギリス=紳士淑女の国」という過去の神話を今でも信じている人には
衝撃でもある、まさに「今」のイギリスやイギリス人をかいま見ることが出来ます。

もちろんタイトルにあるとおりゾンビの話ですので、目を背けたくなるようなグロテスクな場面も
あるのですが、それ以上にイギリス人の持つ楽観としたユーモアや、目のつけどころが笑えます。

そして見終わる頃には、ゾンビ映画なのになぜか清々しい気持ちになるんです!

「スナッチ」」など、ガイリッチー映画が好きな人には、特にお勧めですよ。