GREAVES AND THOMAS SIDEBOARD
まずグリーブスアンドトーマスについて。
1900年代初頭から1967年まで、活動していた会社。職人集団。
たぶん、グリーブスさんとトーマスさんの会社。
彼らの地位を確立したのは、今でいうソファベッドです。
その名もPUTーUーUP!。
誰かを泊めるという意味。
グリーブスアンドトーマスはロンドンにありました。
1950~60年代のロンドンの都市問題。
それは、人口増加です。
人口増加に対処するため、狭い家が増加していきます。
そして、家賃も増加する。価格も上がる。
住宅バブルであります。
結果的に、4人家族であると、寝室が一つでは足りない。
リビングにあるソファを、ベッドにしよう!ということです。
これはグリーブスアンドトーマスがロンドンになければ出てこなかった発想。そして彼らしかしなかった発想。
そして、1922年、PUTーUーUP!を発売します。
誰かを泊めるという意味ですが、当時の広告を見ると、奥さんに、朝ご飯を持ってくる旦那さんと娘さんの姿が描かれています。
ですので、先の住宅問題に対処するための家具であったのかなと思います。
世界初のソファベッドは、1929年にアメリカのシモンズ社から発売されたとされています。
しかし!
遡ること7年、グリーブスアンドトーマスが発売しているのです!
PUTーUーUP!
ソファベッドという名前ではないけれども、機能としては間違いなく同じ。
そんな新進気鋭のグリーブスアンドトーマスが作成したサイドボードがこちら。
当時の洗練されたロンドンを感じる逸品です。
PUTーUーUP!の製作には、金属(heavy framed steelと説明が)も多用されていました。
それゆえか、このサイドボードの扉の取っ手、かなり秀逸です。グリーブスアンドトーマスならでは。
木材だけでなく、金属の加工にも長けていたようです。
シンプルなんですけど、カッコいい逸品であります。
1967年で歴史が止まっております。
買収されたのか、つぶれてしまったのか。
いや、多分こんな感じです。
グリーブスさんが亡くなった、翌月。
トーマスさんが言うんです。
「グリーブスがいなくなった今、この会社を続けることはできない。僕らは2人でやってきたからさ。」
そう言って、会社が終焉したのです。
きっと。
こちらのサイドボードはグリーブスアンドトーマス、晩年の作品になります。
■メンテナンスとケア
クリーニング後、オイルメンテナンスをしました。
普段のケアは乾拭きにて。
半年に一度、あるいは汚れが気になった際に、HOWARD PRODUCTS社のオレンジオイルを使用すると良いです。
汚れが気になった際には、水拭きではなくオイルで汚れを落とす。
塗装され量産された家具とのケアの違いは、ただそれだけです。
古い綿100%のハンカチやTシャツの切れ端に、オイルをしみこませて磨く。
塗装は残っていますので、塗装を保護する目的です。
塗装というのは乾燥すると、お肌と同じように剥がれてきます。
オイル磨きは2~3分で終わります。その後、すぐに乾拭きしても良し。数時間おいて馴染ませてもよしです。
50年以上経過してもなお問題なし。
経年変化をさらに楽しめます。
職人の魂が入っていて、タフにできています。
■製造:1960年代 推定
■生産国:イギリス
■ブランド:グリーブス&トーマス
■サイズ(cm):幅176/奥行43/高74.5
【当店の商品は全てヴィンテージ品】
多少のキズ(僕はそれをアジと呼んでいます)は、どの商品にも必ずあります。
それは、50年経過しないと表現できないもの。
それが、ヴィンテージを求める理由。
状態に関しては、写真をたくさん載せていますので、そちらをご確認くださいね。
ご不明点はお気軽にご相談ください。
発送ランク:家財便E
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