アーコールERCOLに関するあれこれ
アーコールのステッカーの変遷
◆ライオンマーク ガオ~!
Ercol(アーコール)のかつての公式ロゴには、横向きに座るライオンが描かれていました。
このライオンのデザインは、ロンドンのトラファルガー広場にある「ネルソン記念塔」の下に鎮座する4頭の獅子像がモデルになっています。
トラファルガー・ローですね。
また、この獅子像は日本の三越本店入口にあるライオン像のモデルでもあります。
このライオンのロゴマークは、Ercolの創業者ルシアン・アーコラーニ自身を象徴するとされています。
自分で俺は百獣の王ライオンだ!といったのでしょうか(だとしたら結構ヤバいですけど、時代的にはそうだったかもしれません)、それとも周りから言われていたのでしょうか??
英国におけるライオンは権力の象徴、あるいは、秩序と平安をもたらすもの。
過去にはイングランド王室の紋章にも使われていました。
このデザインは、1928年に「アーコール」というブランド名が生まれたときから使用されていましたが、1996年以降に廃止され、現在のロゴに変更されています。
◆1954年~1970年代の家具に貼られたブルーラベル
市場に出回っているアーコール家具の中で最も古いものには、水色とゴールドのライオンロゴが描かれたメタリックシールが貼られています。
店長の好きな年代のやつです。
もはやライオンには見えないんですけどね。。
このシールは、1954年から1957年、Ercolがウィンザーチェアの大量生産に成功し、勢いのあった時期の家具に使用されたものです。
古い年代のもののため、シールが剥がれていたり、破損していることが多く、きれいな状態で残っているものは珍しいとされています。
次に古いのが、青色とゴールドのライオンロゴのメタリックシールです。
こちらは1957年から1970年代までの間に使用されており、水色のシールと比べて保存状態が良好なものが多く見つかります。
◆1970年代~1995年の家具に貼られたゴールドラベル
1970年代後半から1995年までのアーコール家具には、ライオンロゴが描かれた丸型のゴールドメタリックシールが貼られています。
やっぱりライオンには見えない。。
最初は馬だと思ってました。。
このシールには、1970年代から1981年までのものに限り製造年代とデザイン番号が記載されています。一方で、1981年から1995年までのシールは同じデザインですが、製造年代やデザイン番号は省かれました。
このゴールドシールが使用されていた時期は、アーコールがウィンザーシリーズからクラシカルな家具デザインへと移行していた時期でもあり、比較的新しい年代の家具(といってもヴィンテージ)が多いのが特徴です。
◆1996年~現代の家具についている金属製の丸タグ
1996年から2001年の間に使用されていたのは、オークの木がエンボス加工された金属製の丸いタグで、家具に埋め込まれていました。同じデザインのシルバータグも存在します。この時期、オーク材とアッシュ材が主要な素材として使用されていました。
また、2002年から2005年にかけて使用されたのは、「ERCOL」の大文字アルファベットがエンボス加工されたブロンズ色の金属製の丸タグで、こちらも家具に埋め込まれていました。
2006年から現在まで使用されているのは、「ercol」の小文字アルファベットがエンボス加工された金属製の丸タグで、色はブロンズです。
こちらも家具に埋め込まれており、現在のアーコールのアイデンティティを表しています。
ルシアンさんが逝去されて、ルシアン家の勢力が弱まり、ライオンではなくなったとかありそうなエピソードですね。
また、2002年から現在にかけて、マーガレット・ハウエルとアーコールのダブルネームが刻印されたタグも見られます。
これは、マーガレット・ハウエルによって復刻されたアーコールの家具に使われているものです。
さらに、かつて完全に使われなくなったライオンのロゴマークも、この時期の一部の家具に再登場しています。
◆その他アーコール(ERCOL)家具についている刻印
1960年代に製造されたアーコールチェアの座面下に押されているハート型の刻印は、British Standardsマークです。
このマークは、製品の品質と安全性を保証する認証マークで、中央のハート型のロゴは「BSロゴ」と呼ばれ、またその形状から「カイトマーク(Kitemark™)」とも呼ばれています。
「B.S.1960」という刻印は、その製品が1960年にBritish Standards(英国規格)に認定されたことを示しています。
E.G.2056については正確な情報は不明ですが、1950〜1960年代にアーコールのチェアが学校などで使用されていたことから、強度や安定性に関する特定の検査を通過したことを示すものと考えられます。