英国ヴィンテージ家具デザイナー
北欧 イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsen
インタビュー:北欧のデザイナー イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsen氏(インタビュアー:ブリビ君)
B:こんにちわ、イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさん。
まずは、ご出身を教えてください。
I:1921年、デンマークはコペンハーゲン近郊にて生まれです
その後、デンマーク王立アカデミーで学びました。
B:なるほど。
その時期ですと、デンマーク近代家具デザインの父と呼ばれれる
コーア・クリント(Kaare Klint)が家具科の初代教授でしたね。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんも学ばれました?
I:その通り!
あの学校では、色々学んだよ。
非常に良い時代だった。
その後、1950年代前後に、デンマークデザインが開花したのは、
あの学校の存在は大きいよ。
もちろん、大変なこともあったけどね。
ここでは言えないような。
B:ちなみにイプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんは、
英国以外ですと、どの辺でデザインをされていましたか?
I:デンマークはもちろん、スウェーデン、アメリカあたりです。
B:なるほど。
やはり世界的デザイナーですね。
英国での仕事は、一部分なのですね。
I:そうだね。
でも、ウィリアム・モリスが好きなので、思い入れのある国です。
B:ウィリアム・モリス!
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんのデザイン哲学
みたいなものあります??
I:「素材を尊重し、人々の生活に溶け込む美しい家具を作る」だ。
素材の声を聴かなければならない。
デザインだけ考えたものは、使いにくい。
日々の生活で違和感を放つものはだめだ。
結果的に何が大事かというと、職人への尊敬、職人との連携なんだよ。
僕なんかより、素材に関しては詳しいしね。
B:↑この方ですね。
好きな素材とかあります?
I:やっぱりチークかな。ローズウッドも好きだね。
B:世界中で活躍されているじゃないですか。
でも、日本での知名度はイマイチなんです。。。
なぜでしょうか??
I:イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsen。
読みにくいよね。
覚えにくいよね。
ラーセンだと、ラッセンみたいな感じだし。
コフォードもちょっとね。
イプとでも呼んでもらえればいいのかなぁ。
いや、知っている人に知ってもらえれば。
作品には、職人の魂も入っているし。
B:英国ですと、ジープランG-PLANとの共作が有名ですね。
なぜジープランG-PLANだったのでしょうか?
I:声がかかったのが一番大きいのだけど。
やっぱり職人が豊富だったこと、そして職人の幅もあった。
玄人から、若手まで。
若手の職人も、話していると面白いんだよ。
自分なりに技術を解釈していて、それを今の技術で発展させようと。
ちょうどチーク材をジープランG-PLANが使いだした時期だったのもある。
チーク材の可能性を突き詰めたいというのもあったね。
B:なるほど。
たしかに、イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんが
ジープランG-PLANとの共作を生み出したのは、
ジープランG-PLANがチーク材を使いだした時期ぐらいですね。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんと
ジープランG-PLANの共作であるいことを示す
ゴールドスタンプはご自身でデザインされたのでしょうか?
私、かなり好きです。あのスタンプ↓
I:もちろん、私がデザインしたよ。
あくまで、私は脇役で、ジープランG-PLANの職人がメインだから
自分の名前は小さくしたんだ。
そして、下に。
デザイナーとして上に君臨しているわけではなく、
職人たちがメインで、彼らとの共作であることを表現したかったんだよ。
B:なるほど!
ますます集めたくなりました。
海外の知名度と同じくらい、日本での知名度を
私が上げていきたいと思います!
I:いや、いいよ。今の感じで。
それよりも、私の作品を通して、職人の技術を感じてもらいたいね。
注:事実に基づき、店長の妄想も含まれております。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんの経歴
受賞歴~~~~
数々のデザインコンテストで賞を受賞。
1948年の「Furniture Makers’ Guild」主催のコンペティションでの優勝。
これがイプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんの転機になります。
デザインした家具~~~~
【エリザベスチェア】
左上がエリザベスチェアです。
コペンハーゲンを訪れたエリザベス王女とフィリップ王子が
この椅子をペアで購入したことからエリザベスチェアという
名称で親しまれています。
英国とのつながりはこんなところにもあったのですね。
【ペンギンチェア】
↑写真左上
代表作の一つで、曲線的な背もたれと細いスチール製の脚が特徴。
【ソファ】
↑写真右上
モジュール型や曲線的なデザインを取り入れた、
リビングスペース向けのソファを多く手掛けました。
ヴィンテージ家具市場では、ほぼ出物がありません。。
【キャビネット・サイドボード】
チークやローズウッドなどの木材を使用した収納家具。
スライド式扉や引き出しを採用したシンプルで実用的なデザイン。
四角い取っ手が印象的。
【テーブル】
ダイニングテーブル、サイドテーブル、コーヒーテーブルなど。
多様な用途のテーブルをデザイン。
デザインしていないものがないのではないかと思います。
G-Plan以外にも多くのブランドやメーカーとコラボレーションを行い、世界中で彼の作品が製造されました。
1. Faarup Møbelfabrik(ファールプ・モーベルファブリック)
デンマークの高級家具メーカーです。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんは、
特にサイドボードやキャビネットのデザインで知られています。
2. Christensen & Larsen(クリステンセン&ラーセン)
デンマークの職人ブランドで、彼のラウンジチェアや
ダイニングチェアを製造しました。
先の代表作: 「エリザベスチェア(Elizabeth Chair)」は
このメーカーからリリースされました。
後に彼のアイコニックなデザインとして有名になりました。
3. Fröscher(フローシャー)
ドイツの家具メーカーで、彼の作品が製造されました。
主にモダンなオフィス家具やチェアが多い。
オフィス家具もやっているんですね。
4. Selig(セリグ)
アメリカの家具ブランドで、
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんのデザインを
北米市場向けに製造しました。
ラウンジチェアやソファが多く、
北米で彼のデザインを普及させた重要なブランド。
あったら仕入れてみたいですね。
5. Magnus Olesen(マグナス・オルセン)
デンマークのメーカーです。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんのデザインした
チェアを多く製造しました。
やっぱり椅子は基本であり、椅子こそが家具ですね。
6. France & Søn(フランス&サン)
デンマークの著名な家具メーカーです。こちらも。
ミッドセンチュリー期のスカンジナビア家具デザインを代表する存在。
イプ・コフォード・ラーセン Ib Kofod-Larsenさんのヴィンテージ家具は
かなりお高いです。
上記理由から。
当店では比較的、控えめにしておりますので、
ぜひ、見てみてください。